高市早苗の好感度はどこから来るのか 支持政党・YouTube接触から読み解く

高市早苗氏は主要党首の中で好感度・認知度ともに高水準。自民支持層では特に評価が高く、YouTubeでの選挙情報取得時間が長いほど好感度が上昇していました。年齢要因を除いても関連が確認され、YouTubeとの「相性」が支持の強さを後押ししている可能性が見えてきます。
荻上チキ(社会調査支援機構チキラボ) 2026.02.09
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2026年2月8日に投開票となった衆院選。「高市人気」に支えられ、単独で3分の2議席の獲得に至った自民党。では、この「高市人気」は、どの層によって、そしてどのような要因によって支えられているのでしょうか。

チキラボが現在実施中の、衆院選における有権者の政治意識継続調査。この第1回目の調査を使って分析していきます。

「高市早苗」の好感度・認知度は主要党首の中で最も高い

まず、高市早苗氏の好感度を他の政治家と比較して確認します。主に、今回の衆院選に候補者を擁立した政党の党首を中心に調査していますが、高市氏の好感度が最も高いことがわかります。

好感度を測るのに使用したのは、感情温度と呼ばれる尺度です。0は「最も反感がある」、100は「最も好意がある」状態を表し、回答者にはこの範囲で選択してもらっています。

上の図には、各政治家に対する感情温度の平均値を示しています。なお、選択肢の中には「DK」(知らない、わからない、答えたくない)を用意しています。

このDKが少ない人ほど認知度が高いと解釈でき、各政党の現党首の中で高市氏は2.2%で認知度も高いことがわかります。

支持政党ごとに分かれる「高市早苗」の好感度

次に高市氏への感情温度を選挙序盤段階での比例区投票予定先政党別にも確認します。すると、相当なばらつきがあることが分かります。自民党を投票予定としていた人が80という非常に強い好感を示している一方で、中道改革連合、共産党、れいわ、社民党投票予定者は20〜30の間にあり、非常に反感が強い様子です。

YouTubeでの選挙情報取得時間が長いほど高まる好感度(高市・玉木・神谷・百田)

第1回目の調査時点で、すでに選挙情報取得先メディアとして存在感を高めているのが、YouTubeです。このYouTubeからの選挙情報取得時間別に、各政党党首への感情温度を示しました。すると、高市氏の場合には、YouTubeの視聴時間が長いほど、好感度が高くなるという関連が確認できます。

YouTubeでの選挙情報取得時間の回答を以下のような値に変換し、感情温度との関連の強さも算出しました。

  • 「全く触れていない」=0

  • だいたい30分未満=0.25

  • だいたい30分以上1時間未満=0.75

  • だいたい1時間以上3時間未満=2

  • だいたい3時間以上5時間未満=4

  • だいたい5時間以上10時間未満=7.5

  • だいたい10時間以上15時間未満=12.5

  • だいたい15時間以上20時間未満=17.5

  • だいたい20時間以上=20

  • 答えたくない=欠損値

※単位は時間

その結果、高市氏の感情温度との関連の強さを表す値はr = 0.164です。

この値は-1〜1の間を取り、0に近づくほど関連がないことを、-1または1に近づくほど関連が強いことを示します。r = 0.164は正の相関となっていて、YouTubeでの選挙情報取得時間が1時間長くなるほど、高市氏への好感度が0.164度高まるということを示しています。

加えて注目しておきたいのが、石破氏、中道改革連合の斉藤氏・野田氏、れいわの山本氏、共産党の田村氏、社民党の福島氏の野党・リベラル系政党ほど、YouTubeでの選挙情報の取得時間が長くなるにつれて、好感度が下がる傾向が確認できた点です。

ここで検討が必要なのは、「YouTubeでの選挙情報取得時間が長い」という要因が、単に「年齢が若い」ことの媒介変数として機能しており、実質的には年齢効果が表れているだけなのか、それともYouTubeで選挙情報に多く触れること自体が、好感度と独立に関係しているのか、という点です。

すでに配信したこちらの記事では、若年層ほど、YouTubeの選挙情報取得時間が長くなる傾向がはっきりと確認できました。そこで、年齢の影響を取り除いた上で、YouTubeでの選挙情報取得時間と各政治家との好感度の関連を確かめてみたところ、吉村氏以外は、年齢の影響を取り除いても、YouTube選挙情報取得時間と好感度には相関関係があることが確認できました。

高市氏の場合、YouTubeで選挙情報に触れていないグループの好感度も、他の政治家に比べ高いため、全体的に好感度が高い政治家であることは確かでしょう。その好感度の「強さ」が、特にYouTubeによって高められている可能性があることも、このデータから確認できます。同様に、野党、リベラル系の政党の政治家の評価が、YouTube経由で低く強調されている可能性も示唆されます。

政治家や政党によって、YouTubeとの「相性」に開きが見られる現状。選挙戦終盤にかけてYouTubeでの選挙情報はますます影響力を高めていくことを考えると、メディアの影響と投票行動が今回の選挙でも不可分に結びついたのは間違いないでしょう。

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